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天上を駆ける騎兵 -Bicycle Rider of the Astral Fire-

こんばんは、ヒメルです。

今回の旅行記は前回に続いてまたも岐阜です。
二連続で同じところに行くのは珍しいですね。
目的地は高山市にある乗鞍岳

しかし今回はいつもの観光とは趣が違います。
気楽な一人旅ではありましたが、
同時に長く苦しい孤独な戦いでもありました。

この辛さ楽しさ驚きが少しでも伝われば嬉しいです。


 

 

 

 

 

 

 

9月も半ばを過ぎた某日。
神奈川から車を走らせること約5時間。
高山市にあるほおのき平駐車場にやってきました。

 

冬の間はスキー場ですが今はオフシーズンなので、
駐車場を無料で利用することができます。
乗鞍岳に登りに行く人は通常、ここから出る
定期バスを利用するのですがヒメルは違います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


チャリです。

 

乗らなくなったという職場の同僚から少し前に譲り受けたクロスバイク。
前輪だけ外して自家用車の後部座席にぶっ込んで持ってきました。

今回はコイツで乗鞍スカイラインを攻めることにします。

 

今回走る乗鞍スカイラインは、自転車乗りの聖地と呼ばれる
ヒルクライムの有名どころです。

もらったばかりで大して馴染んでもいないマシンで
果たして通用するのか疑問ですが、
このスポットを知り、行ってみたいという衝動が湧いてしまった以上は
もう突撃する他ありませんでした。

せっかくの休みだしね!


出発地のほおのき平スキー場

緑いっぱいのゲレンデです。スキー場って
夏の間は避暑地になるところが多いですよね。

 

 


ここから乗鞍スカイラインを目指します。

 

 

 

 


周りは飛騨山脈が連なる大自然に囲まれた道路です。
自転車でこんな自然いっぱいの場所を走るのは初めてかも。

 

ヒメル
風が気持ちいい!空気がうまい!

 

 

 

 

 

 

 


走り出してまだ10分かそこらですが、
もうしんどくなってきました。

 

ヒメル
重っ……足が重ッ……!

この調子で最後まで走り切れるのか……
スタートしてから心配がどんどん募ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 


山道なので鋭いヘアピンカーブが容赦なく続きます。

 

 

 

 

 

 

 


走り出して1時間弱でしょうか。

 

 

 

 

 

何とか辿り着きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


スタートラインに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までのは準備運動。

ゲートの前で管理人らしきおじさんから諸注意を受けて
ここからが乗鞍スカイラインの始まりです。

 

この先は自然環境を保護するため
一般の車両はすべて進入禁止になっています。
通れるのは観光用のマイクロバスとタクシー、その他の認可車両のみです。

 

そして自転車……。

 

 


さあ、怒りのデスロード・乗鞍スカイラインの始まりです。

 

 

 

 

既にここまで一時間以上走ってきたので、
体力は満タンではありません。前途多難です。
果たして目的地まで辿り着けるでしょうか?

 

 

 

自分でも分かりません。
何しろ終点までの距離を調べてこなかったので、
どのくらい登ればいいのか見当もつきません。

バカです。自由なフリしてただのバカです。

 

ヒメル
自由ってのは、バカでもいいってことだろ!
バカでいるのも自由だろ!?(屁理屈)

 

 


最初のチェックポイント、夫婦松展望台。
トイレ以外何もありませんでした。

 


日本アルプスを見渡せる展望台。

 


振り返ってみるとかなりの距離を走ってきたのが分かります。

出発からここまで約1時間40分。
乗鞍スカイラインに入ってから先はず~~~~~~~っと上り坂なので
さすがに体力が持ちませんでした。

 

ところどころ自転車を降りて、押して歩いて体力を回復させて
また乗ってしばらく走って、の繰り返しです。

 


気がつくと周りの木々は広葉樹が減って針葉樹が多くなってきました。
標高が高い場所に生える木は、葉が広いと雪が積もりまくって
潰れてしまうので、針みたいな細い葉をつけて雪が残らないようになってます。

 

ヒメル
生物ってのは上手くできてるんだなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


道路に何かいる……動物?

サルか?シカか?イノシシか?

 

 

 

 

 

 

 


野ウサギだああああああああああ!

野ウサギのフレンズがいるぞ!

 

 

 

逃げられました。
リアルに脱兎の瞬間を見られました。

 

 

 

 

 

 

 

 

いました。
こんな標高の高いところでも野生動物が暮らしてるんですね。

 

 

 

 

さらに進んでいくと、周囲の景色が一変しました。

辺りには高い木が無くなり、視界が一気に開けました。
とうとう森林限界を超えたようです。

 

ヒメル
俺の体力が限界超えそうだゾ……。

 

 

 

 

 

崖の下までよく見える。
ここから転げ落ちれば数分でスタート地点に帰れる訳です。

 

周りにある植物は草かコケか、小さい松みたいな
トゲトゲした高山植物ばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、アレですね……
人がまっっっっっったくいません。

 

 

 

 

 

 


ほおのき平を出発してから向こう、時々すれ違うサイクリスト以外
人と出会うことはありませんでした。
たまに定期バスに追い越されるくらいです。

どこまでも広がる雄大な連峰風景を一人占めできてしまいます。
なんて贅沢なんだ!と思ったのも束の間。

 

 

 

 

 

 

ヒメル
孤独感と寂寥感ハンパねえ……。

 

独りだけ世界から取り残された、
スケールのでかい姥捨て山みたいな気分になりました。

アイアムレジェンド。

 

 

ヒメル
うだらあああああああああああああぃ!!

日頃の鬱憤をすべて吐き出すように雄叫びを上げても大丈夫です。

好きな歌をハイトーンで高らかに歌いながら走る
大自然ヒトカラをやってもOKです。
実際にやったらすぐに息が切れて絶命しそうになりました。

 

ヒメル
黙って走るんだよオラァーン!自分と戦え!
Fight the demon inside you!!

 


もはや日本の風景に見えなくなってきました。

 

 

 

 

 

 

 



何かのドームのような建造物が現れました。

 

ヒメル
まさか休憩できる施設か!?

 

 



進んで行って確かめると……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ただのカーブでした。

 

ヒメル
くそったれえええええええええ!!

 


開けた場所に来てから薄々感じてたことですが、
さっきまでより気温が下がってきてます。

風も強くなってきました。

 

ヒメル
ぐおおおおおお!前に進まぬううううううううう!

 

 

 


まるでアイスランドか何かの高原にいるようです。

アイスランド行ったことないですけど。

 

 

ヒメル
空気がうまい!うまいけど、薄すぎて全然肺に入ってこねえ!

 

 

 


息……!空気……!

 

 

 

 


桔梗ヶ原に到達しました。

勾配が気持ち穏やかになって走りやすくなりました。
相変わらず風は強いですが、向かい風ばかりではなく
追い風も時々吹いています。

 

ヒメル
来た来たァ!“向いて”来やがったぜ!

 

向かい風の時は抵抗せずにゆっくり漕いで体力の消費を抑え、
追い風が来たらここぞと勢いに乗ってスピードアップ。

 

風に逆らわず、風を味方につける!
気分は風を操る異能使いです。

 

 

 

 

 

 

 


しかし見てくれよ、この無残な姿よぉ!なあ!

 

高い木が存在できないばかりか、小さな木々さえ
上に伸びることができなくなっています。

これが、風の神が支配する高地の生態です。

 

 

 

気候区を形成するほど広範囲の高地が存在しないため
日本には高山気候という気候区分は存在しないそうですが
局地的には高山気候のような特徴の場所もあるということなので、
たぶんこの辺りがそれに該当するんでしょう。

 

 


ここに来て天候がかなり変わってきました。
雨こそ降ってないものの、周囲がモヤに覆われて
景色も見えなくなってきました。

 

ヒメル
どれだけの試練を乗り越えればいいのか……。

 

 

 

この先はどこまで続くんだ……。

 

 

 

 

 

 

このまま何も見えないモヤの中を
走ることになったらどうしよう……。

 

 

 

 

 

 

 

そんな心配が湧き始めた時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


目的地、終点乗鞍岳畳平まで走り切りました!

自動車道としては日本最高を誇る標高2716mです。
国内では自転車で到達可能な最高地点ということになります。

 

 

ヒメル
ドヤアアアアアアアアアア!
ついに俺はやったんやあああああああ!

 

 

 

 

 

ここまで約3時間半かかりました。
距離にするとだいたい20kmちょっと。

20kmは自転車で走る分には大した距離ではありませんが、
1234mの標高にあるほおのき平駐車場からずっと上り坂だったので
1500m近く登ったことになります。そりゃ疲れるでしょ。

 

 

 

 

 

 

 

 


あーあ、山の景色はまったく見えませんね。

 

 


畳平の入り口にある名所、鶴ヶ池。

天気のいい日であればきっとエメラルドに似た
美しい色彩の水面が見られたことでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


だだ曇りです(半ギレ)

 

 

 

山の気候の過酷さを見せつけてくれます。

 

 

 

ヒメル
っていうか寒い!走ってる時は気にならなかったけど
くっそ寒い!気温3℃!? まだ9月だろォオン!?

 

自転車を降りて寒さを自覚した途端に鼻水が止まらなくなりました。

 

 

 

乗鞍岳は基本的にマイクロバスかタクシーでここ畳平まで登った後、
頂上の剣ヶ峰に登るのが最もスタンダードな楽しみ方です。たぶん。
この日も周りには登山客が大勢いて、
どの人も防寒着を装備した本格的な山登りスタイルでした。
ようやく自分が尋常じゃなく軽装だったことに気づきました。

 

山の気候をナメてた訳ではありませんが、
持ってきてたのは長袖のシャツ2枚。以上。
自転車漕いでて暑かったのでそれさえも途中で脱いでしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山、ナメてました(反転)

 

 

 

 



ようやく目的地まで来られたので、
土産店でおにぎりと何かの鍋(忘れた)でオヒルゴハンにしました。

 

ヒメル
あったかいメシが体に染みるぅ~。

 

 

畳平にお土産屋さんがあって助かりました。

 

ヒメル
お土産買うぞ!あと装備を整えるぞ!(今さら)

 

ウィンドブレーカーと手袋を手に入れた!

 

 

 

 

 

 

 


飛騨の神様、どうか無事に下山させてください……(切実)

 

 

 

ヒメル
言うて一本道を下るだけだからな。
迷うこともないし往路みたいに疲れることもない。
楽勝だぜガハハ!

 

 

 

 

 

 

 

 

それじゃあ、帰ります……

 

 

 

か……?


道路が見えねえ……。

 

 

 

 

 

 


っていうか、なんも見えねえ……(驚愕)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


いや、これまずいって。下りですよ?

 

 

カーブの先がホワイトアウトですよ。

 

 

一歩飛び出りゃコースアウトですよ。

 

 

落ちれば人生スリーアウトですよ。

 

 

入り口のゲートで管理人が

「下りは特に速度に気をつけろ」って言ってたっけ……。

 

でも管理人はたぶん天候が晴れてる想定で言ってたと思います。
この視界は速度とはまた別問題……。

 

 

 

 

 

 

 

今は探査神経(ペスキス)を全開にして対向車や急カーブ、
その他あらゆる不測の事態をいち早く察知するしかありません。

 

 

 

 


周りでたくましく生きている高山植物を尻目に、
下りなのにちっとも爽快感のないビクビク走りの
チキンライダーが疾駆します。

 

 

 

 

 

 

 

 


ほら、これから落ちる予定の谷底すら見えないもの。
オチが見えないもの。

 

 

ヒメル
落ちねーよ!オチもねーよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

常時ブレーキスタンバイのままどのくらい走ったか……。

 

 


とうとう周りに、縦に伸びる植物が現れ始めました。

 

 

ヒメル
針葉樹だああああああああああ!

 

やっと高山性じゃない植物が生息する標高まで帰ってきました。
針葉樹林を見てこんなに喜んだのは初めてです。

 

 

 


気がつくと周囲のモヤが無くなって視界良好に。
夢の中をさまよう時間は終わったのです。

 

 

 

ヒメル
天界から下界に帰ってきた気分だ……。

 

 

 

 


帰ってきました、ほおのき平スキー場。
事故も故障もなく無事に終われてよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真の撮影時刻を見返した限りですが、
今回の旅程はこんな感じでした。

----------------------------------------

10:20 ほおのき平スキー場出発

11:15 乗鞍スカイライン突入

11:50 夫婦松通過

12:55 野ウサギのフレンズと遭遇

13:20 桔梗ヶ原到達

13:45 終点、畳平到着

14:30 下山開始

15:20 ほおのき平スキー場帰還

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登る時は3時間半ほどかかりましたが、
帰り道は50分で済みました。やはり下りの方が
スピードをセーブしながらでも登りより圧倒的に早いです。

 

ヒメルはド常人なのでこれくらいかかりましたが、
早い人だと2時間かからずに登り切って畳平に着けるそうなので、
この行程を半分程度の時間で終わらせることができることになりますね。

まさに鉄人。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


奥飛騨、平湯温泉にやってきました。

前回の日記で訪れたばかりの場所ですが、
今回はここに宿を取って泊まりました。

 

 


温泉街はただ当てもなくブラブラ散歩するだけでも楽しいですね。

 


レトロな建物が地域一帯に立ち並ぶ集落。
まさに「温泉街」という風情です。

 

 


狭い町並みに旅館が点々と立つ風景、
以前の日記に書いた芦ノ牧温泉と雰囲気が似ている気がします。

 

 

 


足湯を発見!温泉地といえばこれですね。

 


おんせん!
前回はここのお風呂に入りました。

 

 


雨が降ってきたので宿に戻りました。

 

 

 

 

 

 

 

 


今回泊まった岡田旅館・和楽亭はリーズナブルな価格で
食事も温泉もただならぬクオリティでした。大満足。

何より、一人だと予約ができない宿の多い中、
一人旅の予約を受け付けてくれたのがとても助かりました。
複数人で泊まれるサイズの部屋に案内され、
一人で広々使わせてもらいました。

 

ヒメル
快適過ぎる……(困惑)

 

 

 

 


内装が資料館みたいに色々展示されてて非常に凝ってました。


オコジョかわいい。

 

 

 

一晩ゆっくり休んで疲れを癒しました。
ああ~、一人旅もたまにはいいです。

 

今回の日記はここまで!また次回!


【ヒメル@マウンテンライダー】

 

※キャラクターアイコンははっぷんずげ~と様からお借りしました。

筆者ツイッターID:Tukune_Himmel

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